2ヶ月フォローアップ研修を実施しました
― 「自信が持てない自分」を支えてくれる仲間がいる ―
5月26日、2ヶ月フォローアップ研修を実施しました。
今回は4月入職のスタッフ9名が参加し、この2ヶ月間を振り返りました。
研修の前半では、訪問看護業務に欠かせない「個人情報保護」について学びました。
訪問看護では、利用者様やご家族の生活の中に入らせていただきます。
病院以上に多くの個人情報に触れる機会があるからこそ、その取り扱いについて改めて確認する時間となりました。
少しずつ増える「一人での訪問」
入職から2ヶ月が経つと、一人で訪問する機会が増えてきます。
オンコール当番が始まるスタッフもおり、先輩看護師と一緒にお看取りを経験したという報告もありました。
できることが増える一方で、
「本当に自分にできるのだろうか」
という不安も大きくなる時期です。
今回の研修でも、ある参加者から率直な悩みが共有されました。

「全部覚えられない」という不安
その方は、事業所スタッフと同行訪問を重ねながら学んでいました。
しかし訪問看護の現場は、一軒一軒まったく違います。
利用者様の状態も違えば、
- ご家族との関係
- 家の環境
- 生活習慣
- 大切にしている価値観
も異なります。
「何度も同行しているのに、細かなことを忘れてしまうんです」
「病院では自然にできていたことが、在宅では難しく感じます」
そんな言葉からは、一生懸命取り組んでいるからこその苦しさが伝わってきました。
在宅では、利用者様ごとに異なる”文化”があります。
だからこそ、
「覚えられない自分はダメなのではないか」
と感じてしまったそうです。
「それ、自分も同じだよ」
すると、その話を聞いていた同期スタッフからこんな声が上がりました。
「自分も同じです」
「全部を覚えられるわけじゃないですよね」
「わからないことは、利用者さんやご家族に聞いています」
会場の空気が少し和らいだ瞬間でした。
訪問看護は一人で訪問する仕事です。
だからこそ、
自分だけができていないように感じたり、
周囲と比較して落ち込んでしまったりすることがあります。
でも実際には、多くの人が同じ壁にぶつかっています。
「聞いてもいいんですね」
同期の言葉を聞いた参加者は、
「覚えられないのは自分だけじゃないんですね」
「利用者さんやご家族に尋ねてもいいんですね」
と話していました。
少し肩の力が抜けたような表情が印象的でした。
訪問看護は、すべてを知っている人になることではありません。
わからないことを確認しながら、
利用者様やご家族と一緒に関係を築いていく仕事です。
今回のやり取りには、その本質が表れていたように感じます。
自信を失う時期は、成長している証でもある
2ヶ月という時期は、自分の力不足が見えてくる時期でもあります。
最初は目の前のことに必死だったのが、
少し周りが見えるようになることで、
- 自分に足りないもの
- 先輩との差
- 判断の難しさ
が見えてきます。
その結果、
「自分は向いていないのではないか」
と感じてしまうこともあります。
しかし、それは決して後退ではありません。
むしろ、自分自身を客観的に見られるようになったからこそ生まれる悩みです。
同期だからこそ支えられることがある
今回の研修を通して改めて感じたのは、
フォローアップ研修の価値は講義だけではないということです。
同じ時期に入職した仲間が集まり、
悩みや迷いを言葉にする。
そして、
「自分も同じだった」
と伝え合う。
その時間が、明日また利用者様のもとへ向かう力になっているように感じました。
一人で訪問する。でも、一人で成長するわけではない
訪問看護は、一人で訪問する仕事です。
だからこそ、孤独を感じる瞬間もあります。
しかし、その裏側には、
- 相談できる先輩
- 支えてくれるチーム
- 同じ悩みを抱える同期
がいます。
楓の風では、こうしたフォローアップ研修を通じて、
「一人で訪問するけれど、一人で抱え込まない」
そんな環境づくりを大切にしています。
訪問看護師として歩み始めたばかりのスタッフたちが、それぞれのペースで経験を積み重ねながら成長していく姿を、これからも見守っていきたいと思います。
