― 任される中で見えてくる、自分の看護とチームの支え ―
4月21日、3ヶ月フォローアップ研修を実施しました。
今回はリハ職・看護師・ケアマネジャーが参加し、それぞれの現場での変化を振り返る時間となりました。
入職して3ヶ月。
「慣れてきた」と言い切るにはまだ早いものの、
確実に現場の中心に近づいている時期です。
利用者が増え、判断を求められる場面も増え、
そして、ターミナルの関わりにも触れ始める。
今回の振り返りからは、
そんな“任されることが増えてきた現場のリアル”が伝わってきました。

「一人の人をみている実感」が生まれてきた
まず多くのメンバーに共通していたのは、
利用者が増えることで見えてきた変化です。
あるリハスタッフは、担当利用者が順調に増えている状況を振り返りながら、
こんな言葉を口にしていました。
「軌道に乗ってきたと感じています。今は14名くらい担当していて、目標の17名に近づいています」
単に件数が増えたという話ではなく、
その背景には、担当者会議や契約時に自分の言葉で関わる機会が増えたことがあります。
「同席して発言できたときは、そのまま導入につながることが多いです」
そして何より印象的だったのは、
「一人の人をみている実感があって、そこに醍醐味を感じています」
という言葉でした。
在宅の現場では、
関わる時間が増えるほど、その人の生活や背景が見えてきます。
その実感が、仕事の意味を少しずつ変えていきます。
ターミナルの関わりが、看護の深さを問いかけてくる
3ヶ月目になると、ターミナルの利用者との関わりも現実的なものになります。
ある看護師は、関わりの中で感じた難しさをこう表現していました。
「今後のことをどう伝えるか、そのタイミングが本当に難しいと感じています」
言葉一つで相手の受け止め方が変わる場面だからこそ、
“何を言うか”よりも“どう伝えるか”が問われる。
その中で、こんな経験も共有されました。
退院からわずか4日で亡くなられた方に、
2回訪問する機会があったとのことです。
「亡くなられたときに、ご家族の方から“ありがとうございます”と声をかけていただきました」
関わりの回数は多くなくても、
その時間が確かに意味を持っていたことが伝わってきます。
「判断すること」に向き合い始めている
現場での変化は、スキルだけではありません。
「判断」を求められる場面が増えてきます。
オンコールに関する振り返りでは、こんな迷いが語られました。
「相談の電話があったとき、訪問するべきか迷ってしまいました」
状態としては大きな変化はない。
ただ、ご家族が不安になっている。
「今振り返ると、訪問する前提で話をした方がよかったのかなとも思います」
結果としては、1時間後に再度電話を入れて状況を確認しています。
このエピソードの本質は、「正解を出せたか」ではなく、
自分で考え、迷い、その後の関わりを振り返っていることです。
「先輩とも相談しながら進めていきたいと思っています」
という言葉に、その姿勢が表れていました。
関係性は、続けることで変わっていく
利用者との関係づくりについても、印象的な話がありました。
最初は、先輩には話すのに自分には話してくれない利用者がいたそうです。
それでも関わり続ける中で、
「今は話してくださるようになりました」
という変化が生まれています。
また別の場面では、
訪問時に強い口調で対応された利用者から、後日こう声をかけられたとのことです。
「あの日は嫌なことがあって機嫌が悪かったんだ、ごめんね」
関係性は、一度で築けるものではありません。
時間と関わりの積み重ねの中で、少しずつ形になっていきます。
「困ったときに楓の風に電話すればいい、と思ってもらえる関係をつくっていきたい」
この言葉には、在宅で働く上での本質が凝縮されているように感じました。
「できること」と「抱え込みやすさ」が同時に出てくる
一方で、責任が増えることで新たな課題も見えてきます。
利用者が増えるにつれて、
- 指示書の変更
- 記録
- 連絡
など、事務業務も増えていきます。
「自分でやらなきゃと思ってしまい、取りこぼしが増えてきました」
「周囲に頼ることを忘れてしまっていたと思います」
この振り返りはとても重要です。
一人で訪問する時間が長い仕事だからこそ、
チームの中でどうつながるかが問われます。
「これからは確認と情報共有をしっかりしていきたいです」
という言葉に、次の一歩が見えています。
地域との関係づくりも、自分の仕事として捉え始めている
3ヶ月目になると、地域との関わりも少しずつ広がってきます。
あるリハスタッフは、自ら連携先へ挨拶に行った経験を共有してくれました。
「CMと直接やり取りできるのはチャンスなので、大事にしたいと思っています」
また、実際の介入を通して、
「リハを受けたら楽になったと言っていただいて、訪問回数が増えました」
という変化もありました。
現場での関わりが、そのまま信頼につながっていく。
その実感が、次の行動につながっていきます。
「任される」からこそ、「つながる」ことが大切になる
今回の研修を通して見えてきたのは、
3ヶ月という時期の特徴でした。
- 利用者が増える
- 判断を求められる
- 関わりが深くなる
その一方で、
- 迷うことも増える
- 抱え込みやすくなる
そんな時期でもあります。
だからこそ大切なのは、
- 一人で抱え込まないこと
- チームで共有すること
- 自分の関わりを振り返ること
です。
楓の風では、こうしたフォローアップ研修を通して、
一人ひとりが自分の経験を言葉にしながら、次の一歩を見つけていける場を大切にしています。
