2026年2月に行われた所長会議で訪問看護計画書のグループワークを実施しました
― 利用者目線の計画書を磨き、看護の質を高めるために ―
先日開催した所長会議にて、訪問看護計画書をテーマにしたグループワークを行いました。
訪問看護計画書は、利用者様の目標や生活の方向性を共有し、日々の看護実践につなげていくための大切な書類です。
今回のグループワークでは、各事業所で実際に作成している計画書を持ち寄り、表現、構成、視点の置き方について多角的に検討しました。
検討の視点は、以下の3点です。
- よいと思えるところはどこか
- 足りないところはどこか
- 書かないほうがよい内容はあるか
あわせて、特に優れていると感じた計画書はどれか、その良さはどこにあるのかについても意見交換を行いました。

計画書は「医療者のため」ではなく「利用者様のため」のもの
グループワークでまず共通して挙がったのは、利用者様に伝わる言葉で書くことの大切さです。
「~が心配です」「できるだけ控えましょう」など、柔らかい表現のほうがよいのではないか。
「#(シャープ)」のような表記は、病院っぽく医療者目線に見える。
できるだけ日本語で表記したほうがよい。
訪問看護計画書は、専門職同士の申し送り文書ではありません。
利用者様やご家族にとっても、自分たちの生活や目標を確認するための書類です。
そのため、
利用者にわかりにくい言葉や略語が記載されているのは望ましくない。
報告書のような内容になっているのもよくない。
という意見も出されました。
「伝わるかどうか」を基準に計画書を見直すこと。
これは、看護の質を考えるうえで非常に重要な視点です。
目標は、利用者様の生活に根ざしているか
目標設定についても、各グループから多くの意見が出ました。
目標は利用者目線で書く必要があるのではないか。
看護師が実施することばかり並べるのはどうか。利用者の生活なので。
訪問看護は、看護師が何をするかだけを記載すればよいものではありません。
大切なのは、その人がどう暮らしたいか、その生活をどう支えるかという視点です。
この点に関連して、
ケアマネジャーのケアプランとの連動が必要。
ケアプランと連動することが大切。
という意見も共有されました。
訪問看護計画書だけが独立して存在するのではなく、利用者様の生活全体を支えるケアプランと整合していること。
その視点が、改めて確認されました。
個別性のある計画書とは何か
計画書の質を左右するのは、内容の正確さだけではありません。
その人らしさがどこまで表れているかも大切です。
長期目標に利用者の名前が入っていると、より個別的でよい。
利用者の病状や障害の受け止め方によって、書ける内容が変わってくる。
また一方で、
病名の記載や、がんによる体調変動などが書かれていたら、利用者はどう思うだろうか。
という意見もありました。
同じ病状であっても、受け止め方は利用者様ごとに異なります。
だからこそ計画書には、単なる疾患情報の整理ではなく、利用者様の理解や気持ちにも配慮した表現が求められます。
さらに、
短期目標に数値目標が挙げられているものがあった。達成可能で具体的な目標がよい。
という実践的な意見も出されました。
抽象的な目標ではなく、日々の看護実践や評価につながる具体性を持たせること。
それもまた、質の高い計画書の条件の一つです。
計画書・記録・評価はつながっているか
計画書単体ではなく、日々の看護記録や評価との連動も重要な論点となりました。
目標と計画内容、日々の看護記録が連動している必要がある。
評価の内容が利用者目線だと印象がよい。
また、実務面では、
計画書は1枚で納めたい。
という意見もありました。
情報量を増やせばよいのではなく、必要な内容が整理され、実際の運用に耐えうる形になっていること。
記録・評価・計画がばらばらにならず、一つの流れとして機能していること。
その視点からも、計画書のあり方を見直す機会になりました。
「利用者様と一緒につくる」ことが、楓の風らしさ
今回のグループワークの中で、特に印象的だった意見があります。
計画の内容は利用者と一緒に積み上げていくのが楓の風らしいと思う。
訪問看護計画書は、看護師が完成させるものではなく、利用者様との関わりの中で形づくられていくものです。
何を大切にしたいのか、どこを目指すのかを確認しながら、一緒につくっていく。
その姿勢こそが、私たちが大切にしている看護につながっています。
制度面の確認も含め、運用の質をそろえる
グループワークの最後には、厚労省通達や運営指導上の注意点も踏まえながら、
- 計画立案時の留意事項
- 計画書運用の基本
- 実務上の工夫
について、SVより整理して共有を行いました。
現場ごとの工夫や強みを持ち寄るだけでなく、制度面・運用面の基本をそろえていくことも、組織として看護の質を高めるうえで欠かせません。
看護の質は、こうした対話の積み重ねから高まっていく
訪問看護計画書は、単なる書類ではありません。
利用者様をどう捉え、どのような看護を届けようとしているかが表れる、大切な土台です。
今回の所長会議では、
- 利用者様に伝わる表現になっているか
- 利用者目線の目標になっているか
- ケアプランや記録、評価とつながっているか
- 個別性が十分に表れているか
といった視点から、実践に即した議論を行うことができました。
楓の風では、こうした対話と見直しを重ねながら、よりよい看護を組織としてつくっていく取り組みを続けています。
