― ケースを通して見えた、それぞれの成長 ―
今回の参加メンバーは看護師4名。
それぞれの現場での経験を持ち寄り、ケースを通して振り返る時間となりました。
8ヶ月という時期は、
「慣れてきた」だけではなく、
自分の看護をどう深めるかを考え始めるタイミングでもあります。
Staff Aさん ― 生活史から見えた介入のヒント
認知症のご夫婦のインシュリン指導に苦慮しているケース。
「今日も注射するの?」と言われる。
手順書や写真を作っても覚えられない。
主治医からは「週5回程度打てれば良い」との見解。
そこでチームで模索したのは、
注射だけではなく、生活全体へのアプローチでした。
- 甘いコーヒーに砂糖を次々入れてしまう → 砂糖は別の棚へ
- 飴をなめていた → ガムへ変更
さらに、ご本人との会話の中からこんな話が出ました。
以前は仲間と公園で酒盛りするのが好きだった。
「人が集まることが好きなのでは」と仮説を立て、
デイサービスを提案。
するとスムーズに導入でき、
通所を継続。
その結果、
- 活気が出てきた
- 寝てばかりだったのが歩けるようになった
- QOLが向上した
Aさんはこう振り返ります。
今までの生活史を丁寧に聞くことで、介入のポイントを導けたと実感している。
“問題”だけでなく、“その人の歴史”を見る。
在宅ならではの視点が、成果につながったケースでした。
Staff Bさん ― 「今日の訪問で介入する」という覚悟
末期がんの利用者様のケース。
呼吸苦が強まり、HOT導入。
呼吸筋維持のための体操も実施。
しかし、
自宅で検査ができるわけではない。
もっと早く進行に気づけなかったのではないか。
という振り返りもありました。
今日、この訪問で介入しないと逃してしまう。
次の訪問に回してはいけない体験だった。
Bさんは、
予測や仮説を立てられるようになりたい。
つい楽観的に見てしまうのが自分の癖だった。
と自己分析。
さらに、
ACP的なアプローチもしてみたが、思うようにはいかない。
8ヶ月目だからこそ出てくる、
“より深く関わりたい”という葛藤。
同時に、
自分の看護を客観視できるようになっていること自体が成長でもあります。
Staff Cさん ― 初めてのALS・在宅での気切 ―
担当している、気管切開・ALSの利用者様。
進行が早く、
呼吸器・胃ろうを使用。
在宅での気切の対応は初めて。
すべてが勉強中。
先日、カニューレ抜去で救急搬送というトラブルも。
気切孔が大きく、カフ圧が不十分で抜けやすい。
主治医へ何度も連絡するが、
言いたいことがうまく伝わらない。
ご家族も不安が強く、
スタッフも模索しながらのケアが続いています。
本人は表情やまばたきで意思表示。
文字盤は使えず、コミュニケーションが難しい。
新しいコミュニケーションツールが見つかれば。
変化が少ないケースを多く経験してきたCさんにとって、
訪問するたびに状況が変わる。
という現場は大きな挑戦です。
しかし同時に、
高度な在宅医療の最前線に立っているとも言えます。
Staff Dさん ― 家族ケアの引き出しが増えた実感
Dさんは、社内インタビューをきっかけに
入職時からの歩みを振り返ったとのこと。
6ヶ月研修で紹介した方のグリーフケアについても、
3月に改めて訪問しようと所長と話している。
さらに、エンドオブライフ協会の研修に参加。
そこで得た気づき。
すでにご本人が話せない状態でも、
「どんなお父さんでしたか?」
「どんな思い出がありますか?」
と尋ねることで、家族からご本人の話を引き出せる。
家族との大事なエピソードは繰り返し使える。
関わり方、コミュニケーションの引き出しが増えたと実感している。
家族ケアを意識的に行う視点が深まっていることが伝わりました。
8ヶ月という節目
今回の研修では、
- 生活史を活かした介入
- 予測と仮説の重要性
- 高度医療への挑戦
- 家族ケアの深化
それぞれのテーマが自然に浮かび上がりました。
8ヶ月前は「不安」だったことが、
今では「どう深めるか」という問いに変わっています。
フォローアップ研修は、
単なる振り返りではなく、
自分の看護がどこに向かっているのかを確認する時間。
これからも、
それぞれの現場での経験を持ち寄りながら、
学びを重ねていきます。
