楓の風の研修| 臨死期の看護と、1年間の実践を振り返る時間 – 楓の風在宅療養支援株式会社

楓の風の研修| 臨死期の看護と、1年間の実践を振り返る時間

2026.01.30

入社12か月目フォローアップ研修を開催しました

先週、入社12か月目のスタッフを対象としたフォローアップ研修を開催しました。
今回の参加者は2名。1年間の実践を振り返りながら、これからの看護を深めていく大切な節目の研修です。

現場の第一線で活躍するベテラン認定看護師が、忙しい訪問の合間を縫って、講師をしてくれています。感謝。この層の厚さと、楓の風らしい文化と想いを継承する仕組みが、当社の魅力だと感じます。

さて、今回のアジェンダは大きく2つ。

① がん性疼痛看護認定看護師による「臨死期の看護」講義
② 12か月の総括として、各自が介入した事例を振り返り
 ・気づいたこと
 ・これからに活かしたいこと
 ・今後の課題
を発表・共有しました。


事前課題から見えてきた“現場のリアル”

研修に先立ち、参加者にはそれぞれ事前課題として「これまで関わった事例の振り返り」を提出してもらっています。

認知症の利用者への関わりを通して

あるスタッフは、デイサービスや訪問診療など必要な支援につなげたい一方で、強い拒否がある利用者へのアプローチに悩み続けてきた経過を共有してくれました。

体重減少への対応、熱中症リスクへの家族連携、帯状疱疹後のADL低下など、その時々で最善を尽くしながらも、

「治療が必要だから」「リハビリしないと歩けなくなるから」

といった“正論ベース”の関わりになっていたことを振り返り、

「ご本人が大切にしていることを、もっと引き出せる関わりができたのではないか」

という気づきに至っています。
今後は事業所内カンファレンスや地域研修も活用し、認知症の方とのコミュニケーションを深めていきたい、という前向きな課題設定が語られました。


関係性づくりとターミナルケアへの挑戦

もう一人のスタッフは、直腸がん術後で独居の利用者への関わりを振り返りました。

服薬管理の工夫ひとつを取っても、

  • 薬カレンダーの設置場所
  • ご家族の生活動線
  • 一包化の袋の折り方

など、チームで細かな改善を重ねることでトラブルを防ぎ、信頼関係を積み上げてきたプロセスが共有されました。

また、

「多くを語らない方でも、こちらの気にかけている姿勢は必ず伝わる」
「相手のペースを尊重した関係づくりを続けたい」

という気づきとともに、

  • がん末期・看取りの経験をもっと積みたい
  • 疼痛コントロールや皮下点滴などの技術を実践を通して身につけたい

と、ターミナル期の看護への強い意欲も語られています。


講義と発表を通して見えてきた共通のテーマ

当日の発表を経て、参加者から挙がった今後の課題はとても象徴的でした。

  • ターミナル期の看護を、もっと自信を持って実践できるようになりたい
  • 拒否の強い認知症の利用者への介入方法を、さらに深めていきたい

どちらも「知識」だけでなく、現場での迷い・葛藤・経験不足と真正面から向き合う、とても誠実な言葉です。

がん性疼痛看護認定看護師による臨死期の講義では、

  • 身体症状への対応だけでなく
  • ご本人の価値観
  • ご家族の揺れる気持ち
  • その人らしい最期を支える視点

といった“全人的な看護”について改めて学びました。

事例発表と講義が重なり合うことで、

「だからこの関わりが大切だったのか」
「次はこうしてみよう」

と、それぞれの経験が意味づけられていく時間になりました。


楓の風のフォローアップ研修が大切にしていること

私たちのフォローアップ研修は、

  • 一方的な座学では終わらせない
  • 必ず“自分の事例”を持ち寄る
  • 悩みや未熟さも安心して共有できる場にする

ことを大切にしています。

そして、

  • 専門性の高い外部講師による学び
  • 日々の実践の振り返り
  • 多職種・先輩との対話

この3つを重ねることで、

「現場で一人で抱え込まない看護師」を育てていきたいと考えています。

今回の2名の発表からは、
利用者さん一人ひとりと真摯に向き合いながら、自分自身の課題にも正直であろうとする姿勢が強く伝わってきました。

これから現場で積み重ねていく経験が、また次のフォローアップ研修につながっていきます。

楓の風はこれからも、
学び続けられる環境と、安心して成長できる仕組みを大切にしながら、在宅で生きる方々を支える看護を深めていきます。