訪問看護の会社はたくさんあります。
その中で、私たちはあえて、
事業所名に「訪問看護ステーション」ではなく「在宅療養支援」という言葉を使っています。

この言葉には、楓の風がどこから始まり、
何を大切にしながら広がってきたのかが、すべて詰まっています。
出発点は、在宅ホスピスの現場 ー
楓の風の原点には、
がん末期の方や、医療的な支援が欠かせない方と向き合う
在宅ホスピスの現場があります。
そこで私たちが何度も突きつけられたのは、
「医療を提供すること」と
「その人の人生を支えること」は、決して同じではない、という現実でした。
- 痛みを取ることはできても、不安は消えない
- 医学的には正しくても、本人の望みとは限らない
- 家族の思いと、本人の意思が食い違うこともある
在宅は、きれいごとでは成り立ちません。
正解のない選択を、何度も何度も一緒に考え続ける必要があります。
在宅ホスピスは、「特別な看護」ではなく、
人の生き方そのものに向き合う看護だと、私たちは学びました。
「在宅ホスピス」だけでは、足りない。
在宅ホスピスの経験を重ねる中で、
ある違和感も生まれてきました。
それは、
「終末期の人だけが、人生に向き合っているわけではない」ということです。
- 慢性疾患と付き合いながら暮らす方
- 障がいを抱えながら生活している方
- 精神的な不調を抱え、地域で生きている方
人生に向き合う場面は、
必ずしも“人生の最期”だけにあるわけではありません。
老いても、障がいを抱えても、末期でも。
最期まで自分の場所で、自分の人生を生きる。
この考え方は、
在宅ホスピスから生まれましたが、
在宅療養すべてに通じるものだと、私たちは考えるようになりました。
「在宅療養支援」という言葉に込めたもの
楓の風が向き合っているのは、
医療行為そのものではありません。
その人が
- 何を大切にしてきたのか
- これからどう生きたいのか
- 何を守りたいのか
そうした価値観や意思に伴走することです。
一回の訪問時間は決して長くありません。
それでも、目の前の利用者さんと一対一で向き合い、
小さな変化や言葉にならない思いに気づく。
その積み重ねこそが、
「在宅療養支援」だと考えています。
だから楓の風では、
- 一人で抱え込ませない
- 判断の背景を共有する
- 迷いや葛藤を否定しない
そうした文化を、経営として意図的につくってきました。
在宅ホスピスの現場で学んだ
「人は一人では支えきれない」という事実が、
今の組織づくりの基礎になっています。
最後に
楓の風は、
在宅ホスピスの会社でも、
単なる訪問看護の会社でもありません。
在宅ホスピスを起点に、
あらゆる在宅療養の場面で
「その人らしく生きる時間」を支える会社でありたいと考えています。
このブログでは、現場の話を中心に、訪問看護のリアルな実体験や、「楓の風らしい看護」の提供事例などを更新してきます。
