玉城さん ー「退院できてよかった」で終わらない看護がしたい。
回復期リハビリ病棟で4年間働いていた玉城さんが、訪問看護を選んだ理由は少し意外なものでした。
退院支援に力を入れ、自宅で生活できるよう環境を整えて送り出した患者さんが、しばらくすると再び病院へ戻ってくる。
「退院したあと、家ではどう過ごしていたんだろう。」
その答えを、自分の目で確かめたいと思ったことが、訪問看護への第一歩だったと話します。

「家で暮らす」を見届けたいと思った
回復期リハビリ病棟で働いていたので、退院支援に関わることが多かったんです。
でも、退院してもまた病院へ戻ってくる方が少なくありませんでした。
「何が足りなかったんだろう」「退院したあとの生活はどうなっているんだろう」って、ずっと気になっていました。
もし在宅でその生活を支えられたら、入院を減らせるんじゃないか。そんな思いもあって、訪問看護を選びました。
実は、訪問看護への憧れは学生時代からありました。
祖父母が自宅で最期の時間を過ごしたとき、訪問看護師が自然に生活へ入り込み、ご本人とご家族を支える姿を見て、「いつか自分もこんな看護がしたい」と感じていたそうです。

病院とは、まったく違う看護だった
入職してすぐに感じたのは、「看護」の考え方そのものの違いでした。
病院では、薬をきちんと飲んでもらうことや、安全に管理することが前提でした。
でも在宅では、その人がこれまでどんな生活をしてきたのか、その人らしく過ごせることも同じくらい大切なんです。
「飲まなきゃいけない薬」はもちろんあります。でも、それ以外は「この人らしい生活を崩さない範囲で支えよう」という考え方が楓の風にはあって。
最初は戸惑いましたが、今はその考え方がすごく好きですね。
病気だけを見るのではなく、その人の暮らし全体を見る。
病院では経験できなかった看護に出会えたことが、玉城さんにとって大きな転機になりました。

「一人で訪問する仕事」だと思っていた
訪問看護という仕事に対して、不安もありました。
一人で訪問して、一人で全部判断する仕事だと思っていました。
でも実際は全然違いました。
訪問中でも電話で相談できますし、「困ったら相談していいよ」って何度も声を掛けてもらえました。
オンコールもセカンド体制があるので、「一人で全部背負わなきゃいけない」という感じではありませんでした。
高島平事業所には経験豊富なスタッフが多く、困ったことがあれば、すぐに具体的なアドバイスが返ってくる環境があります。
「昔こういう利用者さんがいてね」
「こんなふうに対応したらうまくいったよ」
そんな話を聞けるので、本当に心強いです。
経験を共有し合う文化が、安心して挑戦できる理由の一つになっていると話してくれました。

忘れられない、ご家族の言葉
入職して間もない頃、終末期の利用者さんを担当する機会がありました。
病院では在宅療養は難しいと言われていましたが、ご本人とご家族の希望を受け、多職種が連携して自宅での生活が始まりました。
最初は、ご家族も不安でいっぱいだったそうです。
薬のこと、病状の変化、これから何が起こるのか。
毎日の訪問の中で、一つひとつ説明を重ね、不安を整理していきました。
そして、お看取りの日。
ご家族から、「本人の希望どおり家で過ごすことができました。本当にありがとうございました」と言っていただいたんです。
あの言葉は、今でも忘れられません。
病院では見ることのできなかった「その人らしい最期」。
それに立ち会えたことは、玉城さんにとって訪問看護のやりがいを実感した瞬間だったそうです。
これから訪問看護を目指す方へ
最初は「一人で全部やらなきゃいけない仕事」だと思っていました。
でも実際は、一人で抱え込む仕事ではありませんでした。
分からないことがあれば相談できますし、訪問中でも電話で確認できます。朝礼でもみんなで相談する時間があります。
だから、経験がなくても安心して挑戦できる環境だと思います。
「やってみたい」という気持ちが少しでもあるなら、一歩踏み出してみてほしいです。
